北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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宣 言 国民経済復興の原動たる石炭産業の復興を念願とする我等北炭系十五山労働組合は、常に合理的なる労働条件の確立と出炭能率の増進を計ると同事()に、国民の要望に応じては、労働強化と知りつゝも敢て其の任に当り今日に至るも、其の間政府の無為無策に依りインフレは其の極に達し、今や炭礦労働者の生活は正に餓死寸前に逼る。斯る儘にて放置せんか、国民待望の出炭量は遇か自然発生的に生ずる職場放棄の形態すら又止む得ざる状態に陥入る事明かなり。我等労働組合は事態の早期解決を望み、 各現地に於て交渉を重ねる事此処に二ヶ月。然るに会社は上部機関の指令であり、決定権を有せないとの不誠意極りなき態度に接するも、事態の平和的解決を念頭とする我等は、北炭札幌支社に之等各現地の交渉を集約して北炭登川鉱労組「経営協議会議事録」一九四八年期()る資本家の猛省を促すべし。断呼立って戦ふものであ団体交渉を申入するも、支社は組合員の悲惨なる生活を一顧だにせず只単に礦業連盟の指令に忠実たらんとするを見ては、礦業権の奈辺にあるかを疑はざるを得ず。翻って日本礦業連盟の体()度を静視するに、炭礦労働戦線の二分せる間隙と、反動政府の企図せる労働法規改悪の気運に乗じ、団体交渉権争議権の否認を思わするが如き言辞を弄し交渉を遷延せしめ、其の間労働強化を条件とする暫定処置を示し、或いは賃金の不払ひ又は支給遷延等労働条件の底()下を目ろみ、然もかゝる不当なる挑戦的態度の北炭系経営者に顕著なりし事実は、我等の真に遺憾とする所なり。期()る資本家政府と日本経済民主化の経法規を骨抜きとし、再び日本に帝国的超軍国主義者の台頭を許す結果となる。我等は、斯る行為こそ日本民主化の阻害であると同時に占領政策に対する違反であると信じ、断呼其の企図を粉砕し、平和国家建設と合理的なる生産計画樹立の為、り、依って五月七日午前七時を期して、二十四時間スト斯斯時低 文態2 炭鉱労働運動の萌芽770第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】

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