ろ原因もありますが、どうもこれではいかんということから、経済安定本部でも特にこの問題を重要視せられまして、炭鉱労務者住宅の建設について、資金・資材の面、輸送の面についても、最優先的順位を与えるということにあいなりました。これに関する強い法令も公布し、戦災復興院が建設の主務官庁として、関係官庁・炭鉱業者が一体となってその建設に非常な努力を払われました結果、昨年度下期においては五、〇〇〇戸の建設を、予定計画どおり完成したのであります。この非常事態におきましたところの実績は誠に素晴らしいものでありまして、復興院をはじめ関係官庁の協力と、炭鉱業者の並々ならぬ努力のたまものと、石炭庁といたしましては深く感謝しておるところでございます。宮田 今の菅さんのお話の、昨年下半期五、〇〇〇戸建設と。これだけではまだ不足していると思うのですが、安本〔(経済安定本部〕の和田長官、いかがでしょうか。編者注)和田 お話のとおり、炭鉱労務者の住宅は去年の下半期に五、〇〇〇戸できましたが、まだまだ不足いたしております。今年の四月から六月の間におきます計画の戸数は、新築とか移改築・修理を合わせまして、二二、二一二戸でありますが、八月の末までにぜひこれを我々としては完成したいものと考えまして、去年の下半期同様、全力を挙げて努力をいたしております。また七月から九月以降におきましても相当数の建設をいたさなければなりませんし、これと同時に共同浴場であるとか、床屋・配給所・診療所といったような厚生施設につきましても、必要と認められますものはある程度建設いたしますように、目下各炭鉱からのご要求の戸数を整理、検討中でありますが、炭鉱住宅の建設を一番真っ先に取り扱いますと、本年度の物資の供給力からみまして、戦災者・引揚者等の住宅の建設は、お気の毒ではありますがなかなか思うようにはまいらないのであります。政府としましては、まず炭鉱に住宅を建てまして、772第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】
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