また一戸当たりの坪数も、本年度は一般の住宅は平均五坪以下でありますのを、炭鉱住宅につきましては特に地方別に平均一二坪及び一三坪半の標準型を定めて、資金・資材の合理的な活用を図るとともに、一面炭鉱の実情に即しました進歩的な住宅を建設するように、特別の工夫を凝らしておるのであります。最近の炭鉱住宅は、これまでのとたいへん違って、その面目を一新いたして非常に住みよい、立派なものが出来ておる次第であります。宮田 ただいまの阿部総裁のお話で、一般国民住宅に先立って現在建設されております炭鉱の住宅は、随分立派になっているようでございまして、これだけでも気分も良くなります。労働能率も向上し、我々国民は大いに石炭増産に期待が持てるわけなんですが、菅長官、将来の炭鉱住宅の建設について、ご希望でもお話し願えませんでしょうか。菅 本年度は不足している住宅を建設しまして、炭鉱労務者の収容力を増加させることが中心でありますが、来年度からは従来の古くなって腐朽した住宅を順次建てなおしていきたいと、こう考えております。それにはまず石炭の生産を確実に増加いたしまして、資材の供給力を増し、住宅を建てやすくするということが肝要だと考えておるのであります。なにしろ住宅は現場の諸君が一日の疲れを休めて明くる日の活動のエネルギーを蓄積する所でありますので、できるだけ明るく気持ちよく使いよくすることが非常に大切なことであります。ことに多数の炭鉱の仕事は半永久的な仕事でありますので、住宅につきましても半永久的な丈夫なものが必要です。しかもこれに住む坑夫さんたちが、自分の家として心から愛し親子何代もがこの家とともに炭鉱の仕事に勤しむというようにしていきたいと思っております。それがためには例えば、寒い北海道に建てる場合には、寒さを凌ぐという点も特に考えまして、ストーブを取り付ける部屋を特に設計するとか、床下・天井裏等の保温的構造等の型をますます研究い 774第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】
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