我々は適当な機械設備と採鉱法とにより、四千二百万屯増産を目的としてゐる。日本は、アメリカと比較し機械設備の方面で二十年間遅れてゐる。経営者がより多くの利潤をあげ、労務者がより多くの賃金を得るためには労資一体になつて増炭、機械化に努力するより他ない。私は次のことを信じて疑はない。経営者がより多くの利潤をあげ労務者がより多くの賃金を得るためには増炭である。従つて組合の幹部は一般大衆に、より多くの賃金を得ることができるような職場にしてやることが緊喫問題である。総司令部は以上の見解から二人の顧問をアメリカ したらより多くの石炭を採掘できるか視察する。又から日本に招いた。今日同伴してきたボーリツク氏は、その中の一人である。ボーリツク氏は数日或は数週間かゝるかもしれないが坑内を視察し、いかにどのようなタイプの機械がこの坑内に適するかどうか意見を述べられる筈である。ボーリツク氏は、大部分の日を坑内で過す筈であるが全面的に協力し、 (ボーリツク氏)挨拶要旨 (ワイヤツト氏)挨拶去年の二〇%以上の増産に努力なされんことを希望いたします。ボーリツク氏を紹介いたします。私は坑内をまだ視察してゐないので、採炭法並びに坑内施設に関し、どのような勧告をするかの立場にはない。私は石炭鉱業界に二十年間携つてゐる。しかし私は魔術師ではない。私は坑内を視察し意見を述べるのみである。今日及一両日中に二〇%の増炭を得るようなことは述べることはできない。私の任務は政府の要求してゐる増産にできるだけの援助をするといふことである。私は日本へきてまだ日浅く日本の慣習はよく分からないが何か質問はありませんか。経済科学局からブラツテー氏を同伴してきた。労働部門の人である。以前鉱業連盟から労働協約に関する、こちらからの要求にこたえた見本が送つてきたが後刻ブラツテー氏から挨拶があるものと思う。778第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】
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