北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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 (ブラツテー氏)挨拶一寸御挨拶致し度い。経済三原則並びに経済九原則については秘密の条項は何にもない。日本の復興を目的としてゐるのである。つまり日本の経済を健全な組織にしたいからである。ワイヤツト氏が述べられたように、それは増炭あるのみである。日本のあらゆる産業の復興は増炭にかゝつてゐる。八千五百万人の全日本人並びに生れてくる子供達は、こゝ数ケ月間の成果に、その幸福がかゝつている。その遂行は困難である。従つて組合としては今迄の権利を諦めなくてはならぬようになるかもしれない。私は今こゝで詳しいことは述べないが、後刻話し合いたい。石炭鉱業の労働協約は東京で始つたばかりである。地方では今すんだばかりか或は今将にすまんとしてゐる状態にあると思う。この状態は危険な時機である。私がま()た目的は両者をガツチリと一致させるところにある。我々が今日云うことは労資が各々持つべき権利を明確にしたら問題は解決さ (フリーマン氏)挨拶かくして引続き第一会議室に於いて技術部門の会合が行はれ、説明聴取が行はれた。れると思うことである。午后一時より組合側の方と懇談致し度い。私は総司令部の人間として日本の石炭について大いなる関心を懐いてゐることを述べたい。北海道の石炭増産には大いなる注意をむけてゐる。私は三月上旬の出炭不振に関しては危惧の念を懐いてゐる。それでワイヤツト氏も自ら北海道へくることゝなつたのである。来年度の日本の出炭割当は困難であるが、不可能ではない。大事なことは如何にしたら増炭できるかということであつて、増炭の可能、不可能の問題ではない。皆さんは、かようにつきつめた気持をもつて努力され度い。(慶應義塾図書館所蔵 COAL@P@一二七七)以 上 779    き 第1節 戦後復興と石炭政策のトレース

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