炭砿技術調査報告調査炭砿 三菱鉱業株式会社大夕張炭砿調査期日 昭和二二年一一月一九日より同月二五日迄査者 炭砿技術調査団第一班① 総 当炭砿ハ原料田炭トシテ北海道最優良ノ炭質ヲ有ス 括調 新シイ採炭法ノ採用作業ノ合理化、坑内外諸施設ル為戦時中ノ出炭要請量甚ダ苛酷デアツテ無理ナ増産ヲ敢行シタ為終戦後ノ反動ヲ強ク受ケタノデアルガ其後一応ノ切羽合理化ヲ実施シ全山一致ノ生産意欲向上ニヨリ出炭回復率ハ六五%(二二年一〇月対比二〇年四月~七月)ト云フ他ノ大炭砿に比シ飛ビ離レタ良イ成績ヲ示シテイル。技術ノ程度炭礦技術調査団「炭礦技術調査団報告 道」一九四七年北海ノ機械化等北海道内炭砿中最モ進歩シタ技術水準ニ達シテヰルガシカモ尚技術的向上心甚ダ旺盛デアル。出炭ノ能率在籍全坑夫一人一ケ月出炭量ハ昭和一九年ニハ一三・四一瓲デアツタモノガ、二二年度上期ハ七・七五瓲ニ落チテヰル(比率ハ五八%)。然シ北海道ノ平均水準ヨリハ高イ。増産ノ余力急進的増産ノ為準備掘進ガ伴ハズ増産余力ハ余リ大キク無イ。例ヘバ人車卸区域ノ如キハ三ケ年ノ炭量ヲ有スル丈デ、新斜坑完成スル迄ノツナギノ寿命シカ持タズ制限サレタ出炭シカ望マレナイ。只砿泉沢区域ハ未ダ多少ノ増産余力ヲ有シテヰル。然シ全体トシテハ準備掘進ヲ犠牲ニシテデモ割当目標ヲ達成シヨウトスル現在ノ意気込ハ賞讃ニ値スルケレドモ準備掘進丈ハ遅ラサヌ様心掛ケテモライタイ。新斜坑ノ貫通、南部新坑開発ノ時機ヲ失セヌ様ニシナケレバ、将来逆ニ減産スルノデハナイカト憂慮サレ6 終戦直後の道内炭鉱技術状況(イ) (ハ) (ロ) 780第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】
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