北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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〈中略〉ル。炭砿技術調査報告調査炭砿 北海道炭砿汽船株式会社夕張鉱業所調査期間  昭和二二年一一月四日ヨリ一一月一八日迄一五日間査者 炭砿技術調査団第一班総  括調     徹当炭砿ハ炭層其ノ他ノ自然条件ニ恵マレ鉱区又広大デアツテ昭和一九年ニハ二二七万瓲余出炭シ、北海道最大ノ炭砿デアルガ、戦後ノ出炭回復率ハ四一%(二二年上期対比二〇年四~七月)デ極メテ低調ト云ハネバナラヌ。北海道出炭不振ノ声高キ今日、其ノ先頭ニ立ツ本炭砿ノ奮起ヲ望ムモノハ独リ吾人ノミデハナカロウ。イ.技術ノ程度二坑ニ於ケル集団ベルト設備及送炭機設備等最高度ノ機械化ヲ完成シ又将来数年ノ計画等ニ就テハ完ロ.出炭ノ能率ハ.増産ノ余力璧ト云フベキデアルガ、余リ好条件ニ恵マレ過ギテ合理化ガ撤()底セズ又第一線ノ現場技術ニ苦心ノ跡ガ余リ認メラレナイ。之ハ戦後ノ諸情勢ノ然ラシメタ結果トシテ技術的研究ノ不足、人材ノ不足等ニ因ルモノモ尠クナイト思ハレル。今後急激ナ発展ヲ企テルニハ当炭砿ヲ対象トスル技術推進委員会ノ如キモノヲ設ケテ技術向上ヲ強力ニ推進シナケレバ他ノモノカラ漸次落伍シテ行クノデハナイカト憂ヘラレル。在籍全鉱夫一人一ケ月出炭量ハ昭和一九年度ニハ一五・六四瓲デアツタモノガ昭和二二年度上期ニハ七・〇六瓲ニ下ツテ居ル(比率ハ四五%)。当炭砿ノ如キ好自然条件ノ下デハ余リニ低過ギル嫌ガアル。努力研究ニヨツテ相当高度ニ能率向上ガ出来ルモノト考ヘラレル。一坑ハ集約ノ途上ニアリ且ツ古洞採掘ノ区域ヲ脱シ切ラズ。三坑ハ機械化ノ遅延ヲ労資協調ニ基ク労781(1) 第1節 戦後復興と石炭政策のトレース

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