能に依存せずにそれぞれの地域のなかで住民の欲求がおおむね充足されるような地域づくりを進めることとする。このため、農山漁村や広域生活圏の中心都市の生活関連施設や産業基盤などの整備を進めるとともに、地方の中核都市については、医療、教育、文化などの諸施設を整備充実して都市機能を高めるなど、魅力ある都市づくりを進める。道内各地域のバランスのとれた発展を図るため、このような地域振興策の積極的な展開に努めるが、特に交通網については重点的な整備を進めることとし、広域生活圏の農山漁村と中心都市を結ぶ道路及び広域生活圏と地方の中核都市を結ぶ幹線道路や鉄道の整備を促進するとともに、地方の中核都市相互間や、これと道外の主要都市を結ぶ交通網を整備する。2 過疎・産炭地域の振興本道の過疎地域は、近年人口の減少にやや鈍化の傾向がみられるが、若年層を中心に依然として流出が続いており、人口構成の老齢化もあって、社会的、経済的諸活動の停滞がみられるとともに、交通、教育、医療などの確保を図るうえで、さまざまな障害が生じている。また、産炭地域においても、相次ぐ炭鉱の終閉山により、人口の流出傾向が続いており、産業活動の停滞、生活環境の悪化などの問題を抱えている。このような過疎地域や産炭地域の振興を図り、住民が将来に希望をもって生活できるような地域づくりを進めるため、まず、生活と産業活動の基盤ともいうべき交通通信網の整備と、バス路線、冬期交通などの確保を図るとともに、地域医療の体系化による医療水準の向上をはじめ、教育文化施設など生活環境面での基礎的な施設の整備を計画的に進める。また、地域産業の生産基盤の整備と経営の近代化を推進し、生産性の向上を図る一方、地域の特性を活かした新しい産業の育成に努める。更に、過度の人口流出等により、住民の日常生活の維 持が著しく困難で市街地から遠く、孤立している集落については、関係住民の自主的な総意のもとに、その移転66第1章 地域経済と経済政策
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