北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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この度、栄ある北海道科学技術奨励賞を受賞いたしました、三井砂川炭鉱の概要について御紹介申上げます。三井砂川炭鉱は、大正三年八月開坑以来、現在に至る迄六三年有余の歴史を持ち、開坑以来の出炭量は五千万トンをこえ、現在年産一一〇万トンの出炭を続けている炭鉱であります。その間三井砂川炭鉱は、常に新しい採炭技術の導入・開発に努め、幾多の輝しい実績を収め、我国の石炭採掘道内の採炭技術の事例(水力採炭)〈一九七七年〉炭鉱の技術三井鉱山株式会社砂川鉱業所「砂川概況/水力採炭」一九七二~八一年技術の進歩に著しい貢献をし、北海道の発展のために寄与して参りました。特にこの度受賞対象となりましたのは、三井砂川炭鉱が機械化の難しい急傾斜炭層を有する炭鉱であるにもかかわらず、この困難を克服して急傾斜炭層の深部採炭における独自の水力採炭技術を確立したことであります。北海道は石炭資源に恵まれて古くから開発され、石炭鉱業は北海道の発展と道民の生活向上に大きな力となって参りましたことは、御承知のとおりであります。そして、現在道内の石炭生産量は全国の約六〇%を占めており、エネルギー危機の時代を迎えて、北海道の石炭鉱業の果たすべき役割は、今後更に重要度を増すことになります。しかしこの間、昭和三〇年代から始まったエネルギー       内の深部移行に伴う保安技術の向上が必要とされるに至革命に()る石油との価格競争のため、生産技術の飛躍的向上と高能率化によってこれに対処すると同時に、採掘部りました。よ脱第二節 採炭技術と炭鉱災害〔砂川の水力採炭技術確立について〕795(1) 10 第2節 採炭技術と炭鉱災害

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