北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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太平洋炭鉱に於けるガス爆発について札幌鉱山保安監督部の見解太平洋炭鉱株式会社釧路鉱業所、春採坑二卸左八片連延坑道において、八月三十一日午后七時四十七分頃発生した「ガス爆発」によって三十九名の死亡者を生じた災害について鉱山保安局ならびに当監督部の鉱務監督官の現場調査、関係人の供述、各証拠物件の技術的検査の結果を綜合して次の通りの結論を得た。一.現場の状況と災害の概況1.左八片、本延、連延の切羽附近は、平常〇・四~〇・五%程度のガス量であつたが、災害数日前から連延において、岩脈に逢着し、ガス湧出量が増加して来たので災害前日更に局扇一台を増設して連延引立の通気量増加の措置を講じていた。災害前連延引立附近のガス量は〇・九~一・〇%程度であつたが、連延のガス湧出量は一・六五立方米災害対策委員会 昭和二十九年十月二十九日発表2.災害前二卸方面で仕繰中、落石によつてケーブル3.停電時連延、引立では発破作業中であつて停電約   4.発破の点火方法は、ガス〇・五%以上の場合はミ/分程度で、災害后のガス停滞試験の結果からも、局扇停止すれば数分にして爆発程度のガスが停滞し得る状態であつた。線を損傷し局扇は運転停止した。これに伴つて局扇にインターロツクしてある本延、連延方面の電気機器は全部停電した。二分前に一回目の発破を行い、停電后約十分位で、二回目の発破を行つた模様である。連延引立は全面の発破が終了しており冠の二孔は孔口部剥落して空発の状態になつていた。リセコンド電気雷管を普通電気雷管の取扱をする様上級者は指示していたと云つているが、段発に使用していたものもあつた様である。災害当方発破係員はミリセコンド電気雷管五段、十二組を受領しており連延二回目の発破の際は同段のみを使用する点火804第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】

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