北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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法を行つた可能性は技術上極めて薄い。5.災害后の倒枠状況、戸門、風管等の破壊、飛散の状態はすべて連延引立附近を起点とした方向を示しており、又連延引立に近いり災者のみはシヨツク死であり且つ発破施行時の状態であつた。6.連延発破担当係員のガス検定器は吸気管を器体に巻きつけて火薬袋中に収納していた。7.切羽電気機器は検定合格品であつて開閉器試験、絶縁抵抗試験結果は異状なく、発破器は資源技術試験所の試験結果異常はなかつた。二.災害の原因前記諸事実を綜合して爆発の原因は左八片連延引立において停電中ミリセコンド電気雷管による段発発破を施行し(発破施行時のガス検定はしなかつたものと思われる)空発となつた冠孔の高熱ガスが、停電のため停滞していた可燃性ガスに着火爆発したものと推定される。春採鉱二卸左八片連延ヒツタテでの可燃性ガス充満中に無謀な発破作業を行つたと断定する。八月三十一日夜七時三十七分ころ二卸坑道の坑内動力線ケーブルにシヨートを生じ動力線で送電される八片坑内は全部停電、このため左八片連延の局部送風扇風機が運転を停止した。この連延附近のふだんのメタンガス含有量は〇・五パーセント位であつたが八月二十五日ごろから増加の傾向を示し、事故前日の三十日には局部扇風機一機を増設これに備えたが当時のガス量は〇・九パーセント、事故が発生した三十一日の一番方当時のガス状況は一・〇~三パーセント、一分間のガス発生量は一・六八立方米に達し通風扇風機が停止すれば切羽付近の停滞ガス量は危険となる状況にあつた。それを連延において発破係員は鉱山保安法、石炭鉱山保安規則に定める発破以 上 作業時のガス検定も行わず、しかも可燃性ガス含有率釧路地検の見解―中間発表の要旨爆発地点ならびに原因捜査経過805      第2節 採炭技術と炭鉱災害

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