北炭夕張炭鉱の再開発問題について(大臣談話)1.北炭夕張炭鉱の再開発問題については、私〔(宇野宗佑〕は去る六月一〇日の就任以来道、石炭協会、関係労働組合を始め関係方面から広く意見を聞き、何とか再開発の途は無いかとこれまで慎重に検討を進めてきたところである。2.しかしながら本問題についての北海道の提案は、再炭鉱の終焉までの過程北海道炭礦汽船株式会社「北炭夕張炭鉱閉山に伴う(別会社)新構想再建計画」一九八三年五八年七月一一日 通商産業 編者注)開発を可能とするには十分なものではなく、石炭協会としても再開発の前提たる保安管理体制の確立が困難なこと等諸般の事情から業界として経営主体となることはできない旨明言している。制の確保に自信を持ち得ず、また適切な経営主体も見い出し得ず、国の支援にも限界があること等を総合的に判断すれば、残念ながら夕張新鉱の再開発は不可能であると受けとめざるを得ない。3.私としては、更に残炭堀りの可能性をも探ってみたが、保安の確保、経済性等の点において実現性を見い省 出し得なかった。4.私としては、以上のような認識に立ち、まず何よりも同炭鉱の再開発の実現に希望を託してきた離職者の方々に対しては、石炭業界、関係省庁、地元地方公共団体等との密接な連携の下に再就職の確保のために最大限の努力を払うこととしたい。私としては、現状では再開発に不可欠な保安管理体また地元中小企業への支援をも含めた地域経済の復第三節 道内炭鉱の衰亡と産炭地域北炭夕張新炭鉱閉山後の再建断念811(1) 14 第3節 道内炭鉱の衰亡と産炭地域
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