北海道現代史 資料編2(産業・経済)
84/1104

北海道地方は豊富な国土資源、冷涼な特色ある気候風土に恵まれており、無限の開発可能性を持ち、これらの活用により二一世紀に向けて我が国の経済社会の安定的な発展に寄与し得る地域である。しかしながら、大都市圏から遠隔の地にあること、人口や産業はその規模が小さい上に広大な地域に散在していること、産業構造の高度化に立ち遅れたことなどから、十分な経済発展をみていない。特に、近年では基幹産業の縮小が相次いでおり、この困難な状況を克服して、定住を促進し地域の発展を図るための将来展望をいかにして開いていくかが課題である。今後は、域内外の交流を拡大するための施策を推進す     の主要な食料及び木材の供給基地、新技術の実用化を目るとともに、道内各地域の特性及び道央における集積を相互に活用し、北方圏諸国との国際交流の拠点、我が国指す先駆的産業の場、雄大な自然を生かした大規模なレクリエーションの場として着実な発展を図る。開発・整備のための施策地理的遠隔性の克服、域内外の交流活発化のため、高速交通体系を整備する。骨格をなす北海道縦貫、横断自動車道の整備を進め、日高、旭川・紋別、後志、釧路・根室自動車道等について構想の具体化を図る。また、新しい技術の開発動向等を見据えつつ、新千歳空港へのアクセスの強化について検討し、さらに国鉄改革の趣旨をも考慮して、北海道新幹線の建設に着手する。北方圏とアジア・太平洋地域を結ぶ我が国の北の国際交流拠点として、新千歳空港及びその関連機能の整備とあわせ国際エアカーゴ基地構想を推進するとともに、苫小牧港、室蘭港の国際コンテナターミナルの整備を促進する。また、釧路空港等地方空港の大型化等及び流通拠点としての石狩湾新港等の整備を進める。なお、道内各都市を直結するコミューター航空網の形成を図る。十勝、オホーツク、根釧、天北、空知等多くの地域において大規模な生産性の高い農業を実現するため、生産・流通基盤の整備、バイオテクノロジーやニューメディアの活用により、我が国における優れた耕種・大家702) 第1章 地域経済と経済政策

元のページ  ../index.html#84

このブックを見る