北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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豊羽鉱山の鉱床は、銅・鉛・亜鉛を主体とする鉱脈型多金属鉱床です。その特徴は、次のとおりです。① 規模が大きいこと② 銀品位が高いこと③ インジウム等稀少金属を伴うこと④ 鉱床の生成年代が三〇〇~五〇万年前と非常に若いこと⑤ 現在の地熱活動により坑内岩盤温度が高いこと豊羽地域では、試錐及び坑道による探鉱が現在でも、精力的に実施されています。鉱石の代表的な構造は、縞状~塊状で、主要鉱石鉱物は黄銅鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱・黄鉄鉱です。銀は黄銅鉱・方鉛鉱に、インジウムは閃亜鉛鉱に伴って産出します。採  最先端技術に挑む高能率トラックレス採掘脈状鉱床の採掘にトラックレス(レールのいらない坑選  わが国初のコラム浮選機自動制御システム化(マイナス(マイナス内用重機類を使用)により、サブレベル採掘法を採用し、834安全で高能率な操業を実現しました。坑内構造は、立坑、水平坑、ランプ(傾斜八度)からなり、中央部にサービス立坑(鉱石、ずり、人員および資材の運搬)、周辺部に通気立坑(総排気量:二六、〇〇〇㎥/min)が配置されています。現在、-)八〇mL~-)六〇〇mLの五鉱床七ヶ所で採掘を、これらの周辺で探鉱および開発を行なっています。高温岩盤における採鉱技術の高能率化を目指して、通気システムのリアルタイムモニターおよび、遠方制御、ラジコンLHD(坑内用積込機)の採用に加え、坑内作業の遠隔制御化、コンピューター制御化の最先端技術に挑んでいます。鉱石は坑内から、巻上機とベルトコンベアにより選鉱場に運ばれてきます。選鉱場では鉱石は破砕・摩鉱工程で〇・一㎜以下に細  鉱  鉱       第8章 鉱業・エネルギー【鉱業】

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