北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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1 目的勇払原野は後方地帯に埋蔵量、約五八億屯の石狩炭田、約五〇万kWの日高水系の電源其の他各種豊富な資源に恵まれ、用地用水運輸交通等工業立地上極めて好条件を具備して居る。昭和二七年度より国費を以て準備調査を継続し、近々外資導入を対象として苫小牧工業港を中心とする、大規模な臨海工業地帯造成計画が樹立されようとして居る。之れは本道綜合開発の目的である産業の高度化を図るもので、日本経済に寄与する観点より極めて緊急を要するものと考えられる。其の完成の暁には、一〇・九m³/secに及ぶ飲料水並に工業用水を必要とし、其の水源としては澄明な鵡川の清流が最適である。又所要電力は三〇万kWと予想されるので、鵡川、沙流川と共に新冠川の電源をも開発して、其の需要に応えると共に、之等河川の農業用水を確保し、併せて洪水の調節をも兼ねしめんとするものである。(北海道立文書館所蔵)当社は昭和二六年発足以来、北海道総合開発に伴う諸産業の旺盛な電力需用に対応し、鋭意電源の開発に努め、昭和二九年には早くも需給の均衡を保ち得たが、その後においても鉄鋼、紙パルプ等の尨大な需用の増加と相俟つて、最近数年間における当社の電源設備はかつてない著増を示し、昭和三五年三月末の発電力は設立当時に比し一〇五%増の六三九、一二六kWを保有するに至つた。      しかし、経済発展に伴う大口電力は産業技術の進歩と共に更に常時安定した電力を必要とし、加えて、生活水準の向上に伴う家庭用電力消費量の上昇等により、昭和三八年度における総需用電力量は、四三億二二〇〇万kWhと、三四年度に比し約五割増が見込まれている。これらに対応する供給力を確保する為、本年度も引続a.工事計画の大要北海道電力株式会社『有価証券報告書 年下期』一九六〇年② 北電の水力・火力発電開発計画昭和34838第8章 鉱業・エネルギー【エネルギー】

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