ぼる被害を受けました。この洪水は、昭和三七年八月洪水に比べ、その氾濫面積は約一/三に減少しており、治水事業の効果がみられましたが、洪水氾濫区域内への人口、資産の増大により流域の重要度が高まってきていたため、昭和三七年八月洪水の被害額を上回る被害となりました。このように計画高水流量に迫る大洪水が発生したこと、 又流域の重要度が非常に高まっていることから、基本高水流量の再検討により治水安全度の向上を図ることが必要となりました。利水面では、石狩川流域の表流水は利用し尽されてお - ダム、大雪ダム、豊平峡ダム)の水を使い果し、なおかり、現在その利用量は、年間約四〇億㎥に達しています。昭和五一年の渇水時には、既設四ダム(桂沢ダム、金山つ電力の出力制限、かんがい用水の取水制限などの節水が七月中旬から八月中旬まで行われました。したがって、今後の水資源の増大と相まって、水不足の解消に向けて、ダム等水資源開発施設による水源開発が緊急に必要となっています。石狩川水系の治水計画を樹立するにあたって、石狩川の最大支川である空知川中流部で洪水調節を行なって、石狩川における洪水流量の低減をはかる事が治水対策上必要かつ効果的です。一方、石狩川水系の新規利水は、生活環境整備による上下水道の普及率向上に伴う生活用水の増大、産業振興に必要な工業用水の確保、更に農業構造の改善に伴う用水の増大など、昭和六二年時点での新規利水の需要増は約四億㎥/年と試算され、これらは全てダムによる水源地開発を必要としますが、滝里ダムでは、そのうちの一部を確保します。滝里ダムで()は、以上のように、治水対策と水源開発など、石狩川総合開発事業の一環をなす多目的ダム事業であり、新北海道総合開発計画の総合環境圏づくりに必要かつ重要な施策であります。滝里ダムの役割りママ(北海道立文書館所蔵 A一一二 一八〇二)840第8章 鉱業・エネルギー【エネルギー】
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