北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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すなわち、それは全産業でみて、北海道では一人―四人の従業員をもつ事業所数が七八・二%、さらに二九人以下の従業員をもつ事業所数が九七・五五%を占めていることからも当然のことかも知れない。㈥ 産業資金の季節的変動性前述の如く、北海道の産業構造および金融構造が、第一次産業を基幹としていることから当然その産業資金の環境の中に、季節変動が予想されるわけである。まず農業において、一―三月から営農資金の貸出が始まり、九月以降から供米代金の流入による営農資金への返却が一〇、一一月(前渡金によつて八―一〇月)から始まる。また農業に附随しては八月頃より亜麻、ビート、馬鈴薯等の農作物集荷資金の要求および、年末に雑穀集荷資金の需要が起る。次に漁業関係でみると、一月―三月に北洋鮭鱒着業資金、春鰊着業資金、八―一〇月に鮭鱒着業資金、年末にほつけ着業資金の需要がある。また漁業に附随しては、一月―三月に海産物の集荷加工資金、八―一〇月に昆布集荷資金の需要がある。林業関係では、一―三月に造材切上げ資金、一〇月には冬山造材資金需要がある。それを銀行および農中金の農業、水産業、林業向け貸出残高からみると、第一五表〈略〉の如くである。さらにそれは信用農業協同組合連合会、市町村農業協同組合、信用漁業協同組合連合会、漁業協同組合の預金および貸出の中からもうかがわれるところである。1 以上、六つの指標から北海道金融の特質をみてきた。第6節 札幌市(手稲町を含む)への地区拡張地区拡張を戦略設定した背景高コスト体質からの脱却ア.当金庫固有の基盤である後志郡部は、第一次産信用金庫の札幌進出〈一九六四~六七年頃〉『北海信用金庫八十年史』二〇〇六年(北海道立図書館所蔵)8 896第9章 金融・観光・サービス業【金融】(1)     

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