業主体の産業構造から所得水準が低く、就業者一人当り所得額は全道平均の七〇%程度にとどまっている。そのため、預金・貸出金ともに取扱金額が小さく、事務コストがかかる体質となっている。イ.店舗配置の周密化によって地域密着がはかられ、取引密度が浸透し、管内預金増加額の五〇数%を獲得して市場占拠率は過半数を制している。しかしながら、管内経済の停滞性からその増加率水準は他地域と比較して劣位の実態にある。ウ.以上のような状態から、固有の地区にとどまっていては、規模の利益追及に基づくコスト引下げは図れない。経済交流活動の広域化への対応道路交通網の整備発達に伴って取引先企業の商取引活動分野が著しく拡大し続け、札幌市をはじめ道央圏と後志とは同一経済圏を形成して、経済的・人的交流が増大の一途を辿っている。だが道央圏が営業地区でないため、活発化する資金循環に伴うフロ2 受けたうえで当局へ内認可申請を行い内々に交渉したー資金を捕捉することが出来ない状況にある。すなわち商業銀行的機能を確立して取引先へ良質なサービスを提供するとともに、低利のフロー資金(要求払預金)獲得に途を拓く必要が課題となっている。当金庫の経営課題のひとつに要求払い預金比率を引上げする経営努力が求められている。経済効率化への対応四〇年代の経済は、完全開放体制そして高度成長から安定成長への移行へとすすみ、経済の効率化がキャッチフレーズに掲げられ、企業経営においてもあらゆる分野にメスを入れ、経営の効率化が求められている。当金庫としても、こうした情勢を先取りし、取引先へ良質な低金利の資金を供給できるよう、コストの急速かつ徹底した引下げをはかり、そのため生産性の向上に拍車をかけなければならない。認可申請等の取運びと認可三九年四月開催の通常総代会に付議し、可決承認を第1節 金融制度の体制整備と経済成長(2) 897(3) (注)
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