北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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拓銀破綻帝国データバンク札幌支店『帝国ニュース 拓銀、事実上の破綻 銀行に事業譲渡へ破綻への道筋巨額の不良債権を抱えて、再建の途中にあった㈱北海道拓殖銀行(札幌市中央区大通西三―七、代表取締役頭取河谷禎昌氏、従業員五、三五八名)は、自主再建を断念し道内営業店の貸出金、預金については北洋銀行に事業譲渡することとなった。これにより、今年四月から模索されていた北海道銀行との合併計画は完全に白紙撤回することとなった。一七日朝に行われた三塚博大蔵大臣の会見では、預金保険機構に対して拓銀の不良債権の買い取りを要請したことが明らかにされた。また、松下日拓銀の破綻海道版』№三五四〇 道内営業店については北洋一九九七年一一月二〇日銀総裁は、受け皿銀行に業務を引き継ぐまでの間、日銀法第二五条に基づき日銀特融を実施することを明らかにした。今回の事態は、金融当局による兵庫銀行など関西を中心に問題銀行の破綻処理が進む中で、その処理がついに都市銀行にまで及んだということ、および同行をメインバンクとする企業が圧倒的に多い点から、道内経済へ与える影響力の大きさが注目される。北海道拓殖銀行は、明治三三年、北海道拓殖銀行法に基づき、北海道開拓のための金融機関として設立された。   北 北海道の産業振興のための中核金融機関としての役割を果たし発展を遂げ、昭和二四年に東京証券取引所に株式上場を果たすとともに翌二五年には普通銀行に転換した。昨年来首都圏を中心に店舖の統廃合を進めていたものの、平成九年三月期末では道内に一三二店、道外に六三店の営業拠点網を擁していた。拓銀の転換となったのが、昭和六〇年代に入りバブル経済期に独自の新興企業育成政策を取り、不動産、リゾ903第2節 北海道拓殖銀行の破綻とその影響(2) 10 

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