あった」と戸惑いを隠せない。天塩川木材工業の倒産また、一一月二八日には道内の木材販売の最大手、天塩川木材工業㈱(本社・札幌市)が旭川地裁に自己破産を申請した(負債二一六億円内外)。関係者にとっては寝耳に水のことで、長年の取引関係にあった大手商社にも事前の相談はなく全く突然のことであったという。同社は、上川支庁美深町に工場を抱えているが、林業を背景にした同社のこれまでの実績は町の経済を支えてきたといっても過言ではなく、雇用問題も含めて大きな問題を残している。戦時中の昭和一九年に設立された天塩川木材工業は、近年は建築市況の不振などによる木材需要低迷のあおりから、妙味薄な商いを強いられていたものと思われるが、気になるのは、一部報道機関が、同社がメインバンクである拓銀に年末資金の要請を行ったが、断られたことで先行きの見通しが立たなくなったと伝えている点である。 拓銀のいわゆる「貸し渋り」が原因しての破綻ということだが、拓銀本店幹部はこの点については、全面否定しており、「貸し渋りが原因の企業破綻は現状発生していない」という認識だ。天塩川木材工業は、業界のトップとして取引面で多くの業界企業を支援してきたが、販売を同社に大きく依存していた企業の中には先行きの見通しが立たなくなっているところも出始めており、少なくとも既に道内業者五社が一回目の不渡りを出しており、今後連鎖倒産の多発が懸念される。(北海道立図書館所蔵)平成九年一一月一七日に発生した北海道拓殖銀行の経営破綻から、一〇年一一月一六日の同行の北洋銀行への第4節 平成一〇年における本道の金融状況1 概 況 北海道総合企画部経済企画室参事『経済白書北海道経済実相報告書 平成10年度版』一九九九年拓銀破綻後の金融状況911第2節 北海道拓殖銀行の破綻とその影響12
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