北海道現代史 資料編2(産業・経済)
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第一 観光計画策定の意義近年経済の急速なる成長につれて個人所得と余暇増大によるレジヤーブームが起りつつあり、このような情勢の下にあつて精神的慰安と視野の拡大、勤労意欲の回復をもたらす観光旅行は、近代人のレクリエーシヨンとして欠くことの出来ない生活の一分野となつて来た。このため近代福祉においては、観光事業の公益性を重視し、その振興に力を入れているのが現状である。今回北海道総合開発の一環として観光計画を策定したのも斯かる時代の要請に応えんとするものである。第二 北海道観光の現状と問題点北海道は観光日本のホープと目され豊富にして特色ある観光資源に恵まれている。その特色の第一は自然北海道総合開発委員会第三次産業部会『第三次産業計画の概要』一九六一年の原始的な神秘性と規模の雄大さであり、第二は本州とは異り亜寒地帯に属し所謂プラキストラインを境として動植物の分布、自然の景観に特異性があることである。第三の特色は歴史の若さと開拓精神を反映した解放的な明るい環境とである。三大国立公園、大沼、網走の二国定公園、ニセコ、襟裳、利尻、厚岸、富良野、芦別、檜山、恵山の七)道立公園があり、この外にも知床、積丹を始め多くの未開発観光資源がある。忘れ難い憩の宿を提供している。し、昭和三五年に於ける外人客は、延六万を超え、本州客延約三五九万人、道民客延約九七五万人と推定されている。       億円に達する。現在自然公園としては、阿寒、大雪山、支笏洞爺の尚、観光地には、無数の温泉が点在し、観光客にはこのような北海道を訪れる観光客は近年とみに増大その消費額は、宿泊、交通、雑費を合せると一四二(ママ観光産業振興の概要第9章 金融・観光・サービス業【観光】92217 

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