北海道現代史 資料編2(産業・経済)
937/1104

問題点自然観光資源については、未だ保護利用の施設が不充分であり、殊に指定外の未開発資源は、自然のなりゆきのままに放置されている。観光客が急増につれ、交通の不備、宿泊施設の不足、接遇の不充分が大きく指摘されている。北海道の観光は夏期に集中し、秋、冬時シーズンオフの対策が欠けている。自然温泉の観光に偏し、産業観光、都市観光、文化(教化)財観光対策等が欠けている。観光宣伝、観光事業の推進体制が弱い。2 構 北海道『北海道長期観光計画書』一九六二年(北海道立文書館所蔵)最近における世界経済の伸展に伴つて先進諸国では個人所得と余暇の増大による消費革命およびレジヤーブームが起りつつある。なかでも精神的な慰安を与え視野の拡大と勤労意欲の回復をもたらす観光旅行はその主流を形成しており近代人にとって欠くことのできない生活の一分野である。わが国も大衆消費に基く経済繁栄の時代を迎え、所得倍増計画においてはレクリエーシヨンを重視し観光事業の強力なる推進を企図している。このような動向のもとにあつて、美しい大自然とエキゾチツクな情緒をただよわせている北海道は本邦においても特異な観光として大きくクローズアップされ内外の観光客は急速に増加している。北海道総合開発計画の一環として観光計画を採り上げるに到つたゆえんもこの時代の要請に応えんとする意図に他ならない。北海道観光開発の方向としては自然観光と避暑観光に想    化などの観光資源を加え、とくに北海道の冬の良さを生片寄つている現状を打破し北海道らしい産業、都市、文〔4 北海道観光開発計画(第二期北海道総合開発計画道案抄)〕北海道観光開発計画第1節 戦後観光振興の経緯(5) (4) (3) (2) (1) 92318 

元のページ  ../index.html#937

このブックを見る