かした、ウインター観光を振興し観光資源の総合的な開発を指向する。観光地造りの基本的態度としては、北海道をして健全なリクリエーシヨンの場であり、楽しい旅行の地であることを目標とし、清潔な環境とサービスの徹底を原則とし国際観光地としても大きな役割を果たし得るよう香りの高い北方文化の形成を促進する。本観光計画の策定に当つては目標年次(昭和四五年)の観光客数を推計し、これを計画の指標とするとともに観光地帯、観光ルートを設定し計画、策定の前提とした。 国際観光は「見えざる貿易」と呼ばれており国際収支に貢献しているばかりではなく相互の親善や文化の交流にも寄与している。一般に観光客の消費は関連産業を振興するとともに所得や雇用の拡大をもたらすが、本計画においては経済的効果増大の期待よりはむしろ内外の観光客が、本道の風土、生活、産業を理解することによつて、北海道の開発を推進している事実をとくに重視して〈中略〉いる。Ⅰ 北海道の観光資源の保護現状は、国民生活における観光の必需化と本道総合開発の急速な進展につれて、観光資源、とくに自然景観と、文化財を破かいし損傷する事例が増加している。なかでも計画性に欠ける宅地開発、観光開発、工業開発等は、観光地の汚損と俗化、都市周辺の緑の破かいと環境の劣悪化、更には公害の誘発等をまねき自然環境に及ぼす影響は最も甚大である。このような現状と、今後の産業発展に伴う資源開発の 積極化、さらには、ますます増大していくレクリエーシ観光資源の保護と産業開発調整の必要性北海道観光審議会『本道における観光資源の保護と産業開発の調整施策 き方策について中間答申』一九六五年(北海道立図書館所蔵)とくに当面措置すべ観光と産業が直面する公害等の問題第9章 金融・観光・サービス業【観光】92419
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