観光レクリエーションや保養の場として高い評価を得ており、また本道観光産業発展の先導的役割を果してきた。しかしながら、最近における社会経済事情の変化に伴い、観光地の入込み客は、停滞又は減少の傾向が全国的に見られ、とくに温泉観光地において顕著に現われていることから、この振興対策については本道のみならず全国的な課題ともなっている。このような現状に対処し、本道の温泉観光地の今後の振興のために既存温泉地の再開発の基本となる指針の作成と、これによる施策の推進が強く要請されてきている。このため道は、道内一八カ所の温泉地について資料の収集を行い、これに分析と検討を加えるとともに、代表的温泉地八カ所については現地調査を実施し、極力その実態の把握に努め、今後の温泉観光地再開発にあたっての基本的な方向について各面から検討を加えてきた。本道の温泉地の再開発問題を取り上げる場合、それぞれの温泉地が地域特性を有して独自の発展をとげていることから画一的に論じ得るものでない。そこで、本調査においては、温泉地と温泉の観光的利用の現状とその特性を究明し、今後温泉地として進むべき基本方向を示唆したものである。従って、温泉観光地の再開発にあたっては、これらの示唆した方向を十分検討し、それぞれの温泉地の地域特性に応じた再開発計画を樹立し、地域住民の合意と協力のもとに取り進める必要があろう。一方、国民の余暇利用のあり方が、次第に質的・量的 常生活圏の中でのスポーツ、レクリエーションあるいはな変化をみせはじめ、特に、金銭消費的なものから、日長期滞在型の観光レクリエーションなど、時間消費的余暇活動への志向が高まってきている。北海道観光審議会『北海道の特性を生かした観光レクリエーション施設整備の推進方策(答申)』(北海道立文書館所蔵)一九七八年観光審議会のレクリエーションの方針第2節 観光レクリエーションとリゾート戦略93324
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