戦後の道政課題(食料と石炭)唯戦争に因る創痍の深きと、交易の自由未だ恢復せられざる等に伴ふ物資不足、之れに基く物価問題、失業問題等急速解決を要する問題多きは御同様深憂に堪へざる所であります。之れ細説致しますと先づ、第一は食糧問題であります。食糧問題は刻下の国情に照し、極めて重要なる案件であり、従つて本問題の打開乃至解決に関しては、綜合施戦後混乱期の北海道経済北海道庁「長官事務引継書 其ノ二」一九四七年策を集中して、以て、之に当るべきでありまして、私赴任以来微力なりとは言へ渾身の努力を傾倒して、当時殆んど解決不可能と言はれて居りました本問題の解決に当りましたる所以のものは、実に茲に存するのでありまして、此の点は先般の道会其の他凡ゆる機会に於て所信を披瀝致して居るのでありますが、幸ひ聖恩を始め奉り聯合軍、政府、各府県及び農民各位の絶大なる御支援、御協力を得、食糧難を打開今日あるを得たのでありまして、私共の常に感謝措く能はざる所であります。翻って本問題の将来について観まするに、本道昨年の作況は稀なる豊作でありますにも拘らず、供出比較的進捗せず目下計画目標の五十数パーセントを示すに過ぎない情況であります。私は従来遅配は多少ありとするも、欠配は断じて致さざる方針を明示して参りました。只今運輸関係より或る特定方面に遅配の現象を呈して居ることは遺憾に堪へませんが、将来可及的速に運輸の障碍も克服なるべく遅配等の事象も消滅せしめたいと存じて居ります。一方機会ある毎に、消費者の買出しに因る供出第二節 経済構造と雇用・人口〔第二回定例北海道会長官予算説明要旨〕8219 (1) 第1章 地域経済と経済政策
元のページ ../index.html#96