悪い旅館とは契約解除も考えることになった。仙鉄局旅客課の話 五千円だったが、募集人員を四十人もこえるほど前評判はよかった。しかし受け入れ側がこんなことでは困る。付き添いの係りの話によると「いやなら、もう来てもらわんでもいい」というような暴言をはいた旅館もあったそうだ。杉山交通公社道支社長の話 もよくなっているはずだが、一部にでもそんなところがあってはぶちこわしになる。調査の結果しだいで契約の解除も考える。古旗 昔と今の大きな違いは、メードさんたちは無給料仲居の働き方〈一九五五~六五年頃〉『白い雲と遠い嶺 み』一九九二年列車は一等で経費は一人当たり三万全般的には旅館のサービス株式会社萬世閣五十年の歩今野 三井 高橋 で、チップだけで生活していたということだね。だから、いかにお客さんにサービスをして、チップをいただくかですよね。父さん(※社長のことを当時はそう呼んだ)には、「お客さんが遊覧船に乗っている間、靴下があったらそれを洗っておく、ハンカチが汚れていたら洗って、それを窓のガラスに張ったらアイロンをかけたようになるものだ」って教えられたものです。お客さんが帰ってきたら玄関に出て「お帰りなさいませ」と迎え、そして一緒に部屋まで行って、お茶を入れて差し上げるんです。サービスには筋金が入っていましたね。―備品は自分持ち―私たちは萬世閣から部屋を借りて営業している個人事業者みたいなものでしたね。ちゃんと部屋代も払ってました。部屋代は、本館の湖水に面した部屋が一泊二日で七十円、湖水が見えない部屋は五十円でしたね。備品も自分持ちでした。火鉢には万世閣 〔座談会 メードさんOGの万世閣昔ばなし〕第9章 金融・観光・サービス業【サービス業】96236
元のページ ../index.html#976