いて、全面的に支持を決議し、理事一同が以下に署名捺印する。明治二十三(一八九〇)年結成の日本でも最も古い歴史を持つ組合の一つである札幌旅館協同組合が、「従順な羊の衣を脱ぎ、獅子となって立ち上がった」と評されるほどの激しい闘いを以後、展開することになった。大規模ホテル対策委員会を設置決議書に続き、同年一月二十一日に開いた副理事長、各部長会議において、「大規模ホテル対策委員会」を発足させた。一週間後の一月二十九日正午、第一回大規模ホテル対策委員会を開き、京王プラザホテルに対し建設反対の申し入れを行うこと決定した。同日十三時五十分、オープンに向け準備を進めている同ホテル札幌事務所を訪れ、次のような内容の申し入れを行った。【申入書】現在、貴社が札幌市に建設を計画中の大型ホテルは、〈中略〉地元中小ホテル、旅館の経営の基盤を失わしむるものであり、別紙決議書を添え、断固その建設反対を申し入れする。翌三十日、村田委負長、小平副委員長、酒井事務局長が札幌市役所を訪れ、決議文を添えた陳情書を板垣武四市長に手渡した。【陳述書】(一 ) 過去数年来大型ホテルの札幌進出について、その歯止めの対策のないままに、ホテルの申請どおりの建築許可となり、開業の運びとなっております。しかもホテルの進出は後を絶たず、ご承知のようにますます加熱状態を呈し、乱立に拍車をかけている現状であります。このように宿泊施設の増大と、旅館宿泊客の減少により既存の旅館業者はぎりぎりの苦境に立たされております。殊に零細業者の多い当業界のための経営安定確保と、中小企業育成の点を充分に第3節 札幌オリンピックと宿泊業977
元のページ ../index.html#991