わりに歩調を合わせた形でダンピングを試みたんですが、安くしたら効果があるというものじゃないですよ。絶対数としての客が現状のところ見えてしまっていますから。実際、私共は今五千五百円で販売しているのですが、これも今後、安くしたにしても効果が出るかどうか……。本誌 京王プラザホテルと、ホテルニューオータニに集約される五十七年の大型店進出傾向をどう捉えていますか。久末 ススキノの客と新しい店舗と()の客は利用目的が全く違うんじゃないですか。ススキノの客と店舗との関係は、よそにわき目を振らずという感じですから。顧客対策を前提にした地道な商法として、やはりなじんでいる客が固定されて、反復利用していくというのが理想的なんじゃないですか。本誌 絶対数の低迷状況は、時期として宿命的なものと認識すべきなのでしょうが、今後の総需要喚起に向けて、観光事業全体像として期待する点はありませママ久末 本誌 久末 〈中略〉んか。最近、札幌の観光客の傾向としては、札幌二泊型に変わってきているんですね。これはかなり定着してきているものなんですよ。昔は、札幌は所謂通過型で、それでも交通の拠点ですから、行動するために一泊していたわけです。しかし、札幌の都市観光が拡充していっている中で、メニューの中にフルに札幌の魅力を盛り込んでいくためにはどうしても二泊しなければならない。完全にこれが主流になれば、単純に今の二倍の収容力が必要になるし、二〇%増えただけでも五千ベッドは足らないですね。コスト管理で特有の対応策はありませんか。アメリカで体験した〝イン〟での泊まりが印象深く残ってまして、ともかく、フロントの人間は極力少なくしようと思っていました。今、グリーンホテル一号店のバックを含めたスタッフは十数人です。特にこの店では全三店舗の予約も受けつけますから、 第9章 金融・観光・サービス業【サービス業】984
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