北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
1017/1232

る格段の深き認識と理解の下に、高き国家的見地より、本道の重要性に相応する丈の必要数の新制大学を設置されんことを、全道民の総意に於て強く要望する次第であります。而して、全道民がその総意に於て新制大学の設置を要    (理 由)望する趣旨の要点は、十月十六日北海道議会に於て、満場一致を以て可決された中央関係当局に対する建議文に示されて居るのでありますが、その全文は次の如くであります。建議文 第 一、本道の大学、師範学校及専門学校を新学校制度に依る新制大学に夫々転換昇格し、更に地方の実状に即し、逐次大学の増設を図り、道民の高等教育の充実向上を期せられたい。新学校制度に依る新制大学は、昭和二十四年度より発足することとなつたので、本道の官公、私立の大学、窪田 長松 師範学校、専門学校は、既に夫々この新制大学に転換又は昇格を目指し当局に対し申請陳情を行い、熱心なる運動を続けつつあるが、その後中央の情勢は必ずしも楽観を許さざるものありと伝へられ、道民をして深く憂慮せしめてゐるのである。而して、本道は終戦後我が国に残されたる唯一の資源地であり、その豊富なる農、林、水及び地下資源の開発並に商工業貿易の振興は、平和的文化国家建設上重大なる意義を有するに至つたので、国に於ては莫大なる経費を投じこれが開発に当りつゝあり、道も亦目君提出 下綜合開発計画を樹立し、官民一致し、その進展促進に懸命の努力を傾注しつゝあるのである。これが目的達成のためには、先づ以て高度の技術を有する多数の有為の人材を要するのでその養成上必要なる教育の振興は、刻下喫緊の要務である。然るに本道は、府県と自然的にも人文的にも全く趣を異にするので、従来の如く府県に於て養成された技術者の移入に依存することの多かつた欠陥を改め、地第1節 新制大学1001号教育委員長 

元のページ  ../index.html#1017

このブックを見る