北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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北海道総合開発委員会文教部会、高等教育配置計画構想検討小委員会『北海道における高等教育配置計画構想に関する報告』一九七七年地域開発、社会環境集積整備と大学の機能従来の地域開発や社会資本整備は、企業誘致または産業基盤整備など産業を中心として進められてきた。しかし現在の都市社会は二一世紀に向って新しい教育的環境と開発の調和ある発展を必要とする多くの教訓をのこしている。西欧諸国においては、早くから大学を中心とした地域社会づくりが行われ、それぞれの地域の発展に寄与してきた事例が多い。わが国では筑波大学を一つの試みとする新学園都市構想によって、その理念が実践されようとしている。これからの地域開発、社会資本整備のあり方の中には、社会福祉、教育文化を主軸とするソフトウェアの開発がとり入れられるべきであろう。大学が大学として十分に機能するためには、教育、研究の場にふさわしい環境を必要とする。すなわち、学術研究に関する情報の入手が容易なこと、教育、研究に必要とする物品の入手が容易なこと、その他、教育および研究に支障を来たさないことなどがあげられる。そのためには、交通通信施設や上下水道の整備、電力、ガス等のエネルギーの確保をはじめとする高度の都市的施設を    必要とする。この他にも、住宅施設、医療施設、社会福祉施設、生活利便施設等の生活環境施設をも整備する必要がある。このような社会資本は、大学がその地域に設置されることに伴ない整備されるもので、これが地域の開発につながり発展向上させることは必然である。しかも、重要なことは、計画的に教育環境として恵まれた自然を保全第三節 高等教育の課題高等教育配置計画構想〔3.本道の将来展望と高等教育の役割〕第3節 高等教育の課題1011(3) 10 

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