前で開かれていないことから、内容しだいで中身の引き抜きや学生の手に渡らないこともありうると考えられるからである。このような検閲に対して交流会ではこの問題に対する報告ならびに討議がなされた。各高専の報告によると①検閲は行われていない②学生会が検閲を拒否している③検閲が行われている、の三つにわかれいちようでない。しかしこの中で注目に値するのは②である。実際に有明高専から学生の団結をもとに学生総会の決議をえて学校当局との交渉により検閲をなくしようとした経験が発表されている。このような動きの中にあって本校執行部が検閲問題に対して反対の色を濃くしていることから、検閲制度廃止を強く打ち出すことが予想される。学校側としては学生会からそのような要求が出されたとしても、全国高専校長会議の決定であるとして簡単には応じはしないとみられる。また、報告書は検閲がつぎのような目的をもっていることを指摘した。まず第一に学生の自主的活動への抑圧であり、政治・思想行動への圧迫であること。第二に交流会・高専学連などの学校間交流連帯の禁止にあること。この二点であるとしている。そして今後の活動の展望について、検閲廃止の方針に沿って「検閲が高専制度の問題に占める位置を明確にする必要がある。ポストの自主管理・届出制などを通じ具体的に廃止の方向へもっていく必要がある」という意見がだされたことが報告書に記されている。一方の専学連の結成は高専制度発足と同時に国立工業短大から高専に移管した学校を中心にして企画されていたが、学校側の強い圧力にあって準備段階の域を出ていなかった。しかし、完成年度を迎える高専がふえるにつれ、軌道に乗りはじめる学生会もふえ、昨年あたりから専学連結成の気運が急速に高まってきた。このような時期において、全国高専の代表が一同に集まり現状報告や対策の討議をする必要性が出てきたことから、昨年夏第三回全国高専体育大会が開かれた京都で第一回の交流会第3節 高等教育の課題1017
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