北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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がもたれた。つづいて本年夏、東京で一年間の経過報告と今後の運動方針を話し合うための第二回交流会がもたれたのである。交流会では専学連の結成をただちに行なうべきであるとの意見がだされるなど活発な話し合いがつづけられた。当面の課題として専学連結成を達成することが参加した全部の高専で確認されたことからも近い将来専学連の結成が行なわれるのは必至とみられる。国立高専は今や五〇をもって数え、各県に一校の割合で設置されている。本校の地域性について言えば、入学者は函館市を中心として渡島・檜山・後志管内の中学卒業者にほぼ限られており、函館高専の主たる〝領域〟は函館工業高等専門学校『函館高専20年の歩み』(苫小牧工業高等専門学校所蔵)一九八二年道南一帯であると言えよう。この特徴はおのずから、高専の地域社会における役割を決めることになろう。地域社会における工学の府として、その地域の住民及び産業への協力の道を開いて行くべきであろう。その一つとして地域社会の子弟の教育ということがある。高専設立の当初は、入学競争率は一〇数倍のものすごいものであり、それだけに中学からえりすぐられた資質の良いものが集まっていた。今や入学競争率も著しく低くなり、学生の学力の低下の事実は覆うべくもない。しかし地域社会の子弟の教育という任務に鑑み、現実に立脚した教育方策をたてるべきである。創立以来二〇年を経て、高専は広く世間に知られてい    る社会の認識をただしく改めるための努力を怠るべきでるように思われるが、実状はそうではない。高専に対すはなく、むしろ積極的に高専理解のためのPRを推進すべきである。目的意識が明らかで、将来技術者となる素質を具え、心身ともに優れた中学卒業者を集めることは、高専の地域性と国際性〔第3章 第二年以後現在まで〕第2部 教育 第8章 高等教育15 1018

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