北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
1060/1232

九月二日㈭9 教科書と学校教育〈一九八〇~九二年頃〉いはちろう平へ八郎に加えて、「日の丸」・「君が代」問題に集中し、〈アはいれないきまりになっています。)・バスタオル参加費6.申し込みしめきり さて、新小学校学習指導要領(一九八九年文部省告示第二四号)に基づいて編集され、今年(一九九二年)四月から全国の小学生が使いはじめた社会科教科書は、例年になく研究者やマスコミの関心を集めた。だが、それも敗戦後はじめて登場したヤマトタケルノミコトや東とう郷竹ヶ原幸朗「小学校用社会科教科書に描かれた〈アイヌ民族〉」林炳澤、竹ヶ原幸朗『教科書の中のアイヌ民族と朝鮮 ト2』一九九四年(とかちエテケカンパの会所蔵)自由学校遊ブックレッうごイヌ民族〉記述への関心は皆無に等しかった。この一九九二年度版小学校用社会科教科書(以後、「新社会科教科書」と略記)は、日本の先住民族であるアイヌ民族の存在をどのように描いているのだろうか。また、そこにどのような問題が内在しているのであろうか。小論はこれらの問題に検討を加えることを目的としているが、これは「国際先住民年」を契機にアイヌ民族と「日本人」との間に真の共生関係を築くうえで欠かせない作業であり、教育研究者の責務でもある。一 述の推移二 「新社会科教科書」の〈アイヌ民族〉記述の全容   小学校用社会科教科書は、この十数年間、日本書籍、東京書籍、大阪書籍、中教出版、学校図書、教育出版の六社が発行していたが、一九九二年度からは光村図書、帝国書院の二社も加わり、合計八社となった(表一〈略〉参照)。〈中略〉敗戦後の小学校用社会科教科書の〈アイヌ民族〉記〔はじめに〕1044第2部 教育 第9章 アイヌと教育

元のページ  ../index.html#1060

このブックを見る