北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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築かれてきたという側面を持っている以上、現代のアイヌ文化を構成するものです。そしてこれからどのようなアイヌ文化を築いていくかを決める権利も、アイヌ自らが持っているのです。5 可能な限り通史的な叙述とする。本書では、可能な限り通史的なアイヌの歴史を編集することをめざしました。しかしいっぽうで、とくに時代を遡ってゆくに伴い、現在得られている資料に現れるそれぞれの時代のさまざまな集団と、現代のアイヌ民族との結びつきについて、専門家のあいだでも見解が必ずしも一致しないことがありえます。この点について編集委員会では、現時点での各時代についての研究成果を検討し、「人類学・考古学では、現代のアイヌ民族と縄文時代人とのあいだに何らかの結びつきがあるという考えに、有力な解釈の一つとしての支持がある」という立場に立つことにしました。そして指導資料の執筆を依頼する際には、この立場が編集の基本方針であることを執筆者に了解していただき、そのうえで、資料に現れる集団と現代のアイヌ民族との結びつきについては、現在認められているいくつかの説のバランスのとれた紹介と対比を依頼しました。以上を踏まえ、本書は次のような構成を取っています。これらは、文化史・政治史的な時代区分をおおよそ反映したものでもあります。本書のねらいと指導上の留意点先土器時代・縄文時代の文化北海道の古人骨~一三世紀ごろの政治・社会一~一三世紀ごろの文化一三~一七世紀ごろの政治・社会一三~一七世紀ごろの文化一七~一九世紀ごろの政治・社会一七~一九世紀ごろの文化近代(明治~一九四五年)の政治・社会現代(一九四五年以後)の政治・社会近代・現代(明治以後)の文化1054   第2部 教育 第9章 アイヌと教育

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