北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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職業教育の実践に関しては、既に『北海道教育史 年)の「産業教育」に専門ごとの内容が各分野の関係者によって詳細に紹介されている。ここでは、北海道の職業教育政策の背景や、職業訓練施設等関連する諸機関に関する資料、就職・進路指導に関わる資料を紹介する。戦後初期の教育改革と高校教育をめぐる混乱は『北海道教育史 に一部が紹介されているが、北海道開発と職業教育の具体的関係については明確に述べられていない。資料1は「北海道総合開発計画」の具体的内容に即した教育目標、学校教育指導の重点が述べられている。資料2は農業科の教育目標について記されている。とりわけ北海道開発の重点が農業分野にあったため、当初の教育目標については農業科について重点的かつ総合的に目標が設定されている様子をうかがい知ることができる。更なる計画は資料3にある『北海道教育開発第二次計画書』に引き継がれているが、やや総花的な計画へと変化している。高度経済成長に入ると職業教育の重点が農業科から工業科、商業科に推移していく。資料4・資料5は北海道産業教育審議会の答申であるが、「開発計画は第一次、第二次の関連高度産業の勃興と第三次産業への労働移動を見込んでいる」とあり、工業科や商業科重視路線が明瞭に見て取れる。さらに一九六〇年代に入ると資料6にあるように、産業教育審議会は工業高校の新設に向けて動き出すことになる。しかし、就職の実態の変化に伴って職業教育は大きな転換期を迎えることになる。資料7は時代のニーズ(高度な技術革新―マイクロエレクトロニクスやバイオテクノロジー)に対応する職業教育の課題を率直に述べたものである。1061記述編 第三巻』(北海道立教育研究所、二〇〇八(平成二〇)戦後編二の一』(同前、一九八一(昭和五六)年)解 第一節 職業教育解 説   説 

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