北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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職業訓練の推進職業訓練推進の強化対策新規学卒就職者の有技能化促進を中心に急速に進展する技術革新、産業構造の変革、慢性的な若年労働力不足基調などから、今後、わが国の産業も量的拡大から質的高度化への転換が要請され、人間能力の開発、向上の重要性はますます高まってきている。とくに技能労働者は、技術革新の導入を背景とする現場環境の変化の中にあって、自己の存在価値を高め、職業の安定を確保し、その地位の向上をはかってゆくには、職業に対する高度な技能、知識と幅広い適応力・応用力を身につけ「腕と頭を兼ねそなえた」技能者となること北海道労働部職業訓練課『職業訓練推進の強化対策』〔一九七二年〕が必要である。その職業専門的な技能や幅広い適応力などを身につける手段の第一が、職業訓練における養成訓練であり、各種職業訓練を体系化した生涯訓練システムである。したがって、働く者の生きがいある職業生活のために、また、社会経済のうえからも職業訓練をさらに一層の普及拡大が望まれるところである。しかるに、本道における新規学卒就職者の職業訓練受講率は一〇%程度にすぎず、毎年三万人前後のものが無技能のまま就職している事実は、若年労働者の人生設計のうえからは勿論、深刻な技能労働力の不足対策上からも見逃すことのできない問題である。ことに、学卒無技能就職者の七〇%以上のものが高卒   ──   就職者であり、今後若年労働力の大部分を形成する高卒就職者の有技能化のための職業訓練受講奨励は、労働者全体の技能水準の向上にも通ずる大きな課題である。道は、以上の見地から、新規学卒就職者の有技能化促進のため、次の事項を中心に関係機関、団体の理解と協第二節 公共職業訓練と企業内学校107912 第2節 公共職業訓練と企業内学校

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