3 農村生活改善運動の取組生活改善クラブの歩みわたくしどものクラブを設立いたしました動機は、今から三年前の昭和二十五年一月の二十日正月に部落の主人達が、主婦のごらくに一日の休養をあたえてくれたのが、きつかけとなつたのです。部落十九戸の主婦たちがおばあさんや、子供をつれて集り、そして話し合つたことは、何んであつたでしよう……それは各自家庭生活のこと、又自分たちの家庭における身分など一般世間なみのくどき話におわつたのでしたが、その後何とかしたいという、わたくしどもの気持ちと部落の主人達のお力添えで二月の農事組合の会合の折りに話し合いとなり三月農山漁村生活の再建への動き農業委員会北海道連合会『北方農業』三巻四号今金町 〔人 一九五三年四月三日桃の節句に、このクラブの設立を見たのでした。しかしこのようなクラブは今金町にはまだ出来ておらず、一体どのようにするか、またどうしたらよいか、ただ集まつて話をしてかえることだけでは物足りなく、又十九人の人が一つ心になることもなかなかむづかしく、その年は三回の会合より出来ず、ただ一年をすごしたのでした。そして翌年一月二十日の集会のときいろいろ話名〕 し合つた結果昨年のようであつては、何んにもならず、どのようにして活動して行くかを協議したのでした。その結果、次のようなことが生れてきたのです。それは急に大きな、たくさんな計画を立てても実行が出来ない。また、あせつても失敗におわるとのことから……その結果がおそくても、わたくしたちの生活にあてはまるもの、又わたくしたちの手で実行できる問題をとりあげること、という一致した考えから、一年目の実行案として、次の問題をとりあげたのでした。それは農繁期の特別いそがしい月をのぞいて毎月会合を開き、いろいろな家庭生活の研究にあたり、それを実94第1部 社会・文化 第2章 農山漁村・炭鉱の生活【農山漁村の生活】 (2)
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