北教組の取組白書によせて 中学校を卒業して、進学か就職かいずれの進路をとるべきかを決定することは、生徒達の一生を左右する極めて重大なことである。私はこのような重大な問題を中学を卒業する時期に決定しなければならないことに大きな抵抗を感じている。西欧先進諸国の間では義務教育年限を延長し、高校全員入学の方向を真剣に検討し始めている。そのねらいは国民全体の知的文化的水準を高める点にあることは勿論であるが、特に資本主義国では、若年労北教組小樽支部『小樽市中学校進路白書(1966)』〔一九六六年〕北教組小樽支部長 働者の低賃金が、既に雇傭されている労働者の高賃金の足を引つぱる結果を招くことになるので、それを抑制するとともに、若年労働者の低賃金を打破ろうとするところにある。義務教育年限の延長は、国民全体の所得水準が向上しなければその実現は困難であるにしても、生徒達の将来にとって極めて有意義なことといわなければならない。しかし、当面してそこまで行き得ないにしても、実質坪谷 俊雄 的に高校入学希望者の全員入学はなんとかして実現したいものである。生徒達が自分自身の判断で自分の職業を選択すること たときであるといわれているだけに、今の日本の現状をができるようになるのは高校を卒業する位の年令に達し憂慮せずにはいられない。従って中学校において進路指導を担当している教師たちの責任も重く悩みも特に深いものがある。高校進学指導についても、生徒の適性、能力、本人や親の希望を綜合的に勘案して普通科、商業、工業、水産第三節 就職・進路指導108918 第3節 就職・進路指導
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