行することにし、会合の出席をとり皆勤者には年度末に賞品をやることにしたのでした。また、クラブ員全員で同じ問題を持つてすすみ、その反省をして見なければならない……それは何んであるか、とのことで、自分たちの生活の一番こまつておることで、けいひのかからない、そしてわたくしたちの手で実行できる問題、とのことから……私たちのトマンケシ部落では、農繁期の六—七月になると何時も病人がでる。子供はよわくいつも病気する。医者代やくすり代がかかつてこまるというような実情だつたのでした。それをどのようにして改善して行くかいろいろと話し合つた結果、栄養がたりないからでなかろうか……とのことから食生活を第一にとりあげたのでした。次にとりあげた問題は、家計簿の記帳の実行であります。いつもお金がないないといいながら、生活をしておりますので、生活費がどの程度、何につかわれておるのか一向にわからない…つまり行きあたりの生活なのです。〈中略〉また財布も主人がにぎつており、買物のつどもらつておる現状です。財布を主婦にわたしていただくことは、何んといつても大変むづかしいことです。部落の会合の折、いろいろお話しいたしましたが、実行していただけそうもないので生活費として支出したものを記帳する。ということが良いことである……とのことで第二年目の計画として、昭和二十七年一月から記帳を始めたのでした。最初の三・四ヶ月はまがりなりにも全戸記帳しておつ 画が少しでも実行できたことをクラブ員みんなでよろこたのですが、農繁期の五—六月頃いそがしくなつてきたゝめ一日のび、二日のびとかさなつて、ついに記帳できなくなつたのでした……それでも最後までつけてくれた方は十七人の中五人ありました。わずか五人でしたが、良くつけてくれたものと、本当にうれしく……最初の計んだのでした。しかし最初やろうとしたのが……どうして実行できなかつたのか……その年の最後の集会にしんけんに討議した結果次のようなことがわかつたのでした。95〈中略〉第1節 戦後復興期の農山漁村社会
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