北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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経営のみにとどまらず農業・家事・育児など生活全般を視野に入れた女性も交えた交流会(マイペース酪農交流会)が始まった。一九五○年代は労働者の文化活動が盛んに行われた。北海道では特に炭鉱労働者の間で、労働者自身が、演劇、音楽・「うたごえ」、絵画、文学を創り出す活動が活発化した。それらの一つとして生活史・郷土史をつくる活動(資料されている。また、一九五○年代、労働者は会社が提供する住宅に集住し、労働者家族の相互扶助的な関係を支えとしながら暮しを営むことも少なくなかった。そうした中で女性たちも主婦会などを結成し、自らも労働争議を担った(家族ぐるみ・地域ぐるみ闘争)。資料16は、「うたごえ」に参加した主婦の記録である。博物館法(一九五一(昭和二六)年)の成立に伴い、市立函館博物館(一八七九(明治一二)年函館仮博物場が開場)、網走郷土博物館(三六年北見郷土館として開館)、釧路市立博物館(三六年釧路市立郷土博物館として開設)が北海道教育委員会によって博物館として登録された。その後、旭川市郷土博物館(現在の旭川市博物館)、市立函館博物館五稜郭分館(二〇〇七(平成一九)年閉館)、オホーツク水族館(網走市、〇二年閉館)、財団法人阿寒和琴博物館(弟子屈、一九九一年閉館)といった各地の特色ある博物館の設置・登録が広がってゆく。岩内町では、町内の遺跡から発掘された石器・土器・標本類三千点以上を収蔵・展示する郷土室が公民館(五六年設置)内に開設されている。資料17は、小樽市長による小樽市立博物館(現在の小樽市総合博物館)の博物館登録申請書(一九六一年)で第五節 第六節 労働者の文化活動博物館と郷土史・民衆史に学ぶ活動109915)には、生活の細かい事実を調べることを通して炭鉱労働者が自身に対する誇りと自信を獲得してゆく道筋が表現  解 説

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