北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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農民大学に学びつつ去る十七日より北町職業訓練所において、第四回士別市農民大学が開催されているわけですが、その大学に参加している一人として「ひろがり」を通じ、広く市内に散在する農村青年の仲間達にその生活の内容を紹介しようと思い立ちペンをとりました。この農民大学は急激に変貌する農村の中で青年が何を考え、何を求め、何を行動として組織してゆくか、そのために必要な基礎知識、経営技術を学び将来の農業を自ら確立することが出来るような素地を養うことを目的としていると共に、共同の生活を通じて社会の中で自己の〝自由〟を希求する目的のため他人の〝自由〟を尊重する。言葉を換えていえば他人に迷惑をかけないこと。進んで何も求めないで他人のためにも尽してやれるような人間形成の訓練の場であるわけですこのことは参加する前にすでに周知されていたことですし、この大学に参加した人達は皆〝よしっ、やつたるぞ〟という気概をもつて集つた事はいうまでもありません、ここにおける生活は普段の家にいての生活よりグンときびしいものであるが、前述の如く目的を持つた者の集りであるから極めてスムーズに行われている公民館や農政課の人達の助けや指導を受けながら自分達が十五日間をより楽しく規律ある生活を送つてゆくため自治組織を作つた。十人前後の部落がつくられ部落会長を選びそして全体      によつて結ばれた仲間意識に支えられ、共同生活の体験の中から村長、助役、収入役、警察署長、保健所長、教育長、郵便局長、大学出版社々長、等々が選ばれそれぞれ一人残らず住宅公団、教委、給食センター、開発局、出版社、文化協会のいずれかに属し、話し合いがなされ、責任をもつてその役を遂行し農民大学村は今日も若々しい息吹で動いている、それはわずか十五日間の事といつてしまえばそうかもしれないが、共同の三原則と四守則は理論的な毎日の講義以上に我々一人一人の人間的なきづなを強固なものとするということで大切なことである1127第4節 農村・農民の学習と教育

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