北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
1144/1232

農民たちが直面している問題と考える。とくに農業の近代化が叫ばれている今日その基となる人間関係が前近代的ではお話しにもならぬと考えるから。今回の大学においては女子が六人も参加している、非常に喜ばしいことであると考える。今後の農業経営は男女共に学び共に手を取り合つて行動してゆかなければ何時までも現状維持をつづけざるを得ないであろうから。今後もこの大学は長くつづけられるであろうが女子青年が今回よりもより多く参加することを望んで止まない。 ㈢ 農民の直面する具体的な問題、困惑〈中略〉第二回労農学習会実行委員会事務局「第三回労農学習会(中西別)への問題提起」一九七二年市青協会長 (市立士別図書館所蔵)この中西別地域でも新酪農村、第二次構造改善事業、農協合併のはなしや、もっと身近にはミルク道路(牛乳搬出道路)バルククーラー設置のことなどなど大型化してこそ一人前だというような空気になってきつつあります。多くの農民にとっては何かしら不安なものがおしよせているのです。何百億円をかけての農業政策は、多くの農民らしい農民にとっては不安で不安でしょうがないものとなっています。こういう農政が進行しつつあるとき、具体的に当局の強力な指導(無指導、あるいは無責任なおどし、強制)村上要 によって ひけない、避けては通れない問題に直面しています。これに直面して多くの農民はどうしたらよいか迷っています。例えば借金して規模を拡大すべきかどうか、トラクターを入れようかどうか、ミルク道路をつけるべきかどうか……そして増えていく借金を返せるものだろうか…      …などと。指導の通りやるのは不安だから農民は一回は断ります。農民は牛飼いを続けようとする以上、後へは112814 第2部 教育 第11章 社会教育

元のページ  ../index.html#1144

このブックを見る