うたごえ運動こと、次に資料が全部揃うまで最初の資料が遊んでしまうこと、更に大切なことは大衆的でなくなり文学会の枠の中に閉ぢこめられてしまうからである。主婦のうたごえ一年を顧みて若者に負けじと四十才の胸をはって ―― 昨年斗争の中から生れた主婦のうたごえもやがて一年をむかえようとしています。苦しかった時、悲しかった時、互に腕をくみ、手をつないでうたった歌の数々を今も忘れる事はできない。私たち主婦は声の良悪にこだわらずうたをうたう楽しい雰囲気にお互の心と心を一層固く結んできたのです。指導者は青婦部の歌声サークルの王子製紙主婦連絡協議会『主婦の窓』創刊号(北海道立図書館所蔵)一九五九年一二月人達ですが、私のような五線の音符にもピンとこない小母ちゃんでは中々大変なようです。しかしサークルの方達は本当によく私たちの指導をして下さいました。おかげで色々のうたを覚える事ができました。ある時は乙女の日に返った様に、若き日の歌に昔をしのび、又ある時は若者にも負けじと四十才の胸を張って「俺たちゃ若者」をうたい、あるいは労働者に対する資本家の弾圧に抵抗してうたうのです。「俺は労働者」を、又政府の安保改悪に強く反対して訴えるのです。原水爆禁止を、沖縄を返せと去年と今年の全道うたごえ大会に皆様の御協力によっ西部一主婦 て参加致しましたが、働く人たちのうたによって結ばれた心は団結を一層固くし、斗魂はいやがうえにも燃えあがるのです。そして明日えの斗いに新しい勇気と力をあたえてくれたのです。その感激は今もなお忘れる事はできません。新しい世代の子供たちにともすればおいていかれそうになる私たち母親にうたごえは一つのささえになって私たちをはげましてくれるのです。113416 第2部 教育 第11章 社会教育
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