北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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昭和三六年六月小樽市立博物館の斡旋によつて、久々に道内博物館並びに相当施設の連絡協議会が開催され、この会議の総意で北海道博物館協議会が創設されました。最初の年である三六年度は、先づ協会の体制を整えるために会員勧誘に重点をそそぎました。しかし郵便による勧誘では靴をへだてて足をかくに等しく、協会結成の真意を納得ゆくまでお話する術もなく、なかなか回答も得られず焦慮しましたが全道該当施設五一館中その半数にも満たぬ二一館の加入を得たに過ぎなかつたことは事務担当者の微力の致すところと恐縮に耐えません。三七年度は七月三日からの第一回北海道博物館大会を函館市で開催する運びとなつて、ようやく本格的な協会としての動きを示すようになりましたが、何せ草創期として財政的基礎も薄弱だつたために、連絡機関紙の発行さえも出来なく、各館相互の連絡を密にすることも不充分であつたことは無念な想いでありました。しかし協会の存在は、道教委社会教育課当局の大きな会長 竹内収太 期待と推挽を得て、本道社会教育の一端に一歩一歩いささかの貢献の出来る立場となりつつありました。第一回大会に於ける決議事項はそれぞれ当局に上申されて関心を集めました。また御承知のように本道開拓百年の昭和四三年が目眉に迫りましたが、その記念事業として各種社会教育施設設置の声が各方面にあがり、特に美術館設置の運動が新聞社の強力な後楯を得て華々しく展開されました。一方我々の多年の要望であつた道立博物館創設の運動も先輩各位の熱心な要望によつて早くから声をあげられていたのですが、近年の美術館運動の華々しい蔭にともすれば影薄し)い存在として地味な運動をつづけて来ました。例えば博物館連絡協会の会合、或いは昨年の如き大会の決議として幾度か当局に上申されてまいりました。道教委はこうした各方面の要望に対して、昭和三七年     ることになりました。各方面より一七人の委員を任命し度に社会教育施設置審議会を設けて、道立の博物館、美術館、文化会館、図書館の改築問題等を一括して審議す(ママ1138第2部 教育 第11章 社会教育

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