北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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ぐましい努力が続けられたのである。◎取り上げられた課題一七人のグループが幾度かの会合を繰りかえした結果、半年は雪に埋れるこの地帯で、将来豊かな生活をするためには、将来の重要な課題として次のことを取り上げた。1.地力の回復、向上を目指して水田単作を改め、クローバーを取り入れた輪還経営をとる。2.輪還経営に似合つた、適切な家畜を導入する。3.生産力を高める健康な体を養うために、家畜生産品を主とした食生活の改善を行う。4.寒気に備えて、これに充分耐える住宅に改善し、同時に燃料の節減をはかる。5.蚊と蝿のいない住みよい部落とするために、環境衛生の整備をはかる。6.すべての計画と、実践は、常に家族会議、部落会議を通して生活の民主化をはかる。7.消費経済生活を充実して、貯蓄を増すた(めことに努力する。ママ)     〈略〉のとおりである。十七名のグループは農業経営研究会と称して活動を続けてきたが、偶々この研究会の発議により、昭和三十一年農事組合が組織されることとなり、その構成は別表一生産を高めるために取り入れられた、クローバーによる輪還経営の型)態は次表〈略〉のとおりである。当時は厳しい供米制度下であり、割り当てられた米の供出量に悩んだだけでなく、当初は収入もあがらず時には、パンや、ウドンその他の代用食をもつてがんばりつゞけた。しかしこの努力の効果はやがて五年後にあらわれ昭和二十七年には谷衛氏は遂に四石二升という反収を示して、米作り日本一競作会において見事、東北・北海道ブロツク賞を獲得したのである。2.クローバーを取り入れることによつて家畜が殖えたそれも各戸の経営に似合つた。◎課題解決のための組織と機能◎課題毎の解決活動と発展性クローバーを有効に利用するために、各戸の経営に(ママ100第1部 社会・文化 第2章 農山漁村・炭鉱の生活【農山漁村の生活】

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