北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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札幌にも道立幼稚園幼児教育充実に乗出す 札幌をはじめ道内各地の幼稚園が最近目立つて増加、世はまさに幼稚園時代の観を呈しているが、道教委では幼稚園教育の研究センターとして道立幼稚園(札幌市)の設置を計画、札幌市の藤、北星両学園でも幼稚園教員養成所を四月から開設する準備を進めており、幼稚園教育がようやく軌道に乗りはじめようとしている。道私学係の調べでは現在道内にある公認幼稚園数は公、私立合せて八十三カ所で、二十六年三月から比べると二倍に増加しており、認可申請中のものを含めると百校を『北海道新聞』一九五四年二月五日道教委越える日も近く、幼稚園の激増ぶりに係員も目をみはつている。これらの幼稚園は函館、美唄両市にある公立幼稚園をのぞいてはほとんどがキリスト教や仏教などの宗教団体が経営しているもので、札幌市にある北光、めばえ、藤、明星、大谷、桑園、円山、相愛、エマヌエル、めぐみ、大谷第二各幼稚園もほとんどが宗教関係となつており、まちまちの幼児教育が行われているという現状にある。このため道教委では小学校教育の前教育として重要な幼児教育を軌道に乗せるため、研究センターとして道立幼稚園を札幌につくることを計画、二十九年度予算として九百四十七万円を田中知事に要求しており、幼児教育が今年からグンと充実することは明らかとみられている。道教委牧野学校教育課長談     園教育は小学校へ入学するための準備教育ではなく、幼領を作成、幼稚園の育成、助成に乗出しているが、幼稚児のしつけとか美的情操を高めるための教育であり、子供のなかにあるものを引出す教育だという点を十分認識文部省でも幼稚園教育要第一節 一九五〇年代までの幼稚園・保育所の状況と乳児福祉の整備1 幼児教育充実に乗り出す道教委1154第2部 教育 第12章 就学前教育・保育、子育て、児童福祉

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