北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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資料1は、少年矯正・少年教護の領域において求められた「民主主義的改善」の具体的内容を伝えている。本文書資料2は、進駐軍の視察に対する準備を指示した文書である。「萬全の配意」と「周到な計画」で「極秘裡」に準一九四一(昭和一六)年に札幌少年審判所が設置された北海道には、終戦時、少年法(一九二二年制定)に基づく矯正院はなく、少年保護団体として、家庭学校社名淵分校や旧三井鉱山株式会社砂川鉱業所に設置された私設少年保護団体紫明寮などがあった。また、少年教護院としては、道立大沼学院や家庭学校社名淵分校、報恩学園があった。戦後、占領政策は、学校教育における軍国主義的内容の排除と、民主主義教育の推進に関する指示として発出されたが、これらについて少年矯正・少年教護の領域においては、どのような対応が求められていたのか。は、占領軍の視察を意識しながら、少年保護団体に対して、「人道主義的な処遇」と体罰の禁止、「少年の訴を良く聴き適当な取扱又は指導をすること」、「少年の被服の改善」や「適当な娯楽」の提供、「発育を阻害しない給与」と「加重強制労働の廃止」、献立予定表の作成、カロリー計算に基づく給食の実施、保健衛生の改善等と並んで、「軍国主義的学科教材の撤廃」、「軍隊式或は侵略主義思想」を含む言論や歌曲の禁止等を求めている。備し、「日常の行事」として行う「態勢を至急且つ持続的に整え」ることを求めている。少年矯正・少年教護領域における「民主主義的改善」の要請解 第一節 占領下における少年矯正・少年教護1171  説 (1) 解 説

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