ゐた。㈡ 院の教護方法が悪く、成績が挙らず在院期間が五年位に達する者もゐるが、これは永過ぎるから少くとも二年位で退院できる程度の成績をあげるやうに努むべきだ㈢ 不足食糧の生産のために作業牛を雇はず児童を労働に従事させてゐるが、児童の作業従事は教護目的以外に逸脱してはならない㈣ 便所が甚志く不潔で、院内隅々まで臭気が漂うてゐる㈤ 着物、布団等が甚だしく不潔で襤褸になつてゐる。新品を要求してゐるが配給されない状況であるから、県においては特別に留意すべきだ㈥ 授業については作業の出来ない雨天とか冬期以外には施さず通常は労働作業に従事させてゐるなほ修養、宗教的情操、陶治、責任観念の確立といふやうな部面は殆んど顧みてゐない㈦ これは(前記六)食糧不足を自給するため、園の十一 ㈧ ㈨ ㈩ 畑で食糧を作る方針であるから、自然勉強の時間を疎そかにすることになるのである家庭寮舎は、職員の家族の入つてゐるところが大部分主要な場所を示めて児童の部屋は少部分で隅の処が当てられてゐるが、これはいけない。客用の部屋が二室備へてあつて通常あき室となつてゐるが児童のため有効に利用すべきである。調理場が不潔で児童が常時出入して遊んでゐるので、一層不潔になつてゐるから児童の出入を止めさせ、清潔にしなければならない。善良な児童又は良いことをした児童には善導を促進するためにも褒美をやるとか、種々の方法で賞めることを講すべきである。但し金銭給与はいけないと思ふ。児童がどんな悪戯をしても放任してあるが或る程度の規律節制が望ましい。特にこの種の児童であるからその見地よりも必要である。併し酷いことをさしてはならない1180第2部 教育 第13章 少年司法福祉
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