北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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教護院の教育の独自性を主張する時、私たちの気持のどこかに、教護院は矢張り少し違う、一すじ縄ではいかないよね、という思いがあります。私たちは少年たちの特異を愛し、誰よりもその少年たちの味方だと思っていました。いろいろと世話を焼かせやがって、この野郎、そんな悪態をつきながら、教護の職員たちは深い愛情で少年たちと結ばれていました。それが差別だと言われれば一言もありません。法の下の平等、義務教育の完全実施、法改正の論理に事欠くことはあるまいと思われます。公教育を導入しようとするならば、法改正しか道はないと思うのです。ただ、私たちのような現場人は、法の上での整合性だけが至上ではないと思っています。法の上で、一歩前進して、現場ではやりにくくなることも一ぱいあると思っています。そのやりにくさは、現場人の私たちがこれから背負っていこう。その混乱は十年はかかる、そう思っているのです。(社会福祉法人北海道家庭学校所蔵)第3節 少年矯正・教護事業における制度改革の動き1195  

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