北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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9 農家における嫁の地位〈中略〉嫁はまつたくべつあつかい―魅力のある農村をつくろう―「よごれた地下水」と「きれいな地下水」そのくみかえをやリましよう―地下水帯を読んでの意見―青年や婦人が集まると、かならず嫁と姑の問題が話し合いされております。 「地下水」誌上にも、この二年間を通じて、この問題についての記録が多いようです。 「地下水帯」は、結婚前の人たちの記録が多いが、嫁の座にある人たちはどんな考え方を持つているでしよう農山漁村生活における様々な問題状況十勝農村文化協会『地下水』№一三一九六〇年四月か。更別村の中農で、三十四才になるAさんは、「嫁いでから十二年になりますが、一年に一日ぐらい実家え帰るのが、休日といえばいえるぐらいのものです。」という。最近結婚した川西町のB子さんは、「畑作農家から、水田農家え嫁いだためか、農作業にもなれず、体が悪く時々医者通いをしていますが、姑は「うちの嫁は、かまどかえし〔(破産してしまうこと〕に来たようなものだ」とかげ口をいわれるのがつらいといつています。またこういう立場の嫁さんもいる。〝私は三十をすぎておりますが、一度も婦人会などの集まりにでたことはありません。姑、小姑たちが必づでてゆきます。家にいるときも姑たちは新聞や、ラジオに耳をかたむけていますが、私には子供、家族のつくろい物などで、学びたいと思いますが、それもできません。小姑たちは、他所えいつては「うちの嫁は頭が悪い、なにも知らん」といつて笑いふらしているのです。〈中略〉編集注)110第1部 社会・文化 第2章 農山漁村・炭鉱の生活【農山漁村の生活】      (2) 

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